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UNIVERO / Vol.01:未来を仕立てるための軽さ

UNIVERO / Vol.01:未来を仕立てるための軽さ

名前に込めた思い   UNIVEROという名前は、universalとaeroを組み合わせて生まれました。   誰もが、空気のように軽い財布を持てるように。そんな思いを込めています。   この「軽さ」は単に重さの話ではありません。   モノの軽さではなく、日常そのものを軽やかにするための設計思想。   お財布ってそもそもかさばるし、本当は持ち歩かないに越したことはないわけで。 だからこそ、存在していないかのように感じれるほど薄くて軽くて小さい、洋服のシルエットも崩さないような存在を生み出したいと考えたワケです。   軽さという概念   持ち物を変えれば、体験そのものが変わる。   行動が軽くなり、思考も軽くなる。   その変化は見た目よりもずっと静かで、でも確実に暮らしの質を変えていきます。   最高のミニマリズムとは、先程も記載の通り、持っていることを忘れるほど自然であること。   財布は使っている時間よりも、持ち歩いている時間のほうが圧倒的に長い。   だから自分は、“お財布を使っていない時の時間”の快適さを上げたいと思っています。   それが、本当の豊かさなんじゃないか?そう感じるわけです。   上質さと日常の距離   UNIVEROをつくるときに意識していたのは、上質さと日常のちょうどいい距離感でした。  上質であることは大切。でも、日常から離れてしまうと、それはもう贅沢品になってしまう。   数百円で財布が買える時代に、なぜ革を選ぶのか。  その理由は、時間を感じ取るためだと思っています。   使うほどに変化する質感、指先に残る手触り。  それが自分とモノとの関係をより特別なものにしてくれます。変化を感じながら上質になっていくモノと過ごす日々。 これこそ日常体験をエレガントにしてくれる存在だと思います。    革という素材に宿る時間   UNIVEROでは、天然タンニンなめしの姫路レザーを使っています。   昔ながらの製法で、化学薬品をできるだけ使わない。  環境に優しく、素材としての耐久性も高いものを使用しています。 経年変化を感じ取れる革って楽しいんです。時間とともにより革がピカピカになっていく姿は結構楽しい。 そして使っていくと、どんどん手になじむ柔らかさになっていく。  ...

ブランドを育てることの難しさについて思うこと

ブランドを育てることの難しさについて思うこと

  おはようございます。 WING MAKERの近藤です。   このあいだTwitterを見ていたところ、こんな話を聞きました。   「インフルエンサーがブランドを立ち上げることは簡単。ブランドを継続して展開していくことは非常に難しい」   なるほど。私はそもそもインフルエンサーではないのでブランドを立ち上げる段階から困難も多かった印象です。本当に認知度0からのスタートですので立ち上げすらも難しさは極まりました。     さて、インフルエンサーといえど、ブランドを継続して運営・展開をしていくことは非常に難しいという話。WING MAKERもまもなく2年近くが経とうとしていますが、ブランドを継続していくことの難しさについては私も今、痛感しているところです。 単純に広告を増やせばいいというものでもありません。会社が負担する広告予算の割合も問題ですが、単純に広告を増やすだけでは、お客様とのコミュニケーション不足が否めません。   WING MAKERは新しい機能性と豊かさを通じて、近未来エレガントスタイルを実現していくことが目標です。この目標と価値観をより多くの方と共有していくことが重要になってくる中で、広告効果についてはその限界を感じるのです。   こういったブログ記事だとどうしても情報の流れが一方通行になってしまいますが、それでも広告よりもより伝わるものがあるのではないかと思い執筆しています。 現在も、ブランドの育て方については試行錯誤の連続ですが、世界を美しくするという目的のためにも長い闘いを生き抜いていきたいものです。 今こうしている間にも世界中で無数のブランドが立ち上がり、そして消えていっています。多くのメッセージが伝わらないまま儚くも終わっていくのです。   ブランドの育て方はまだ分からないものの、一つだけ確実に言えることがあります。     「ブランドとして生き残ること」     です。ブランドとして生き残らなくては、伝えたいメッセージも伝わらないまま、散ってしまいます。...

近未来エレガントとは何か?

近未来エレガントとは何か?

  おはようございます。 WING MAKERの近藤です。   本日は『近未来エレガント』について解説を残しておこうと思います。     「近未来エレガントって何?」 「何がエレガントなの?何が近未来的なの?」   こんな言葉を頂くがあります。   ミニマリストウォレットLUMYの商品説明ページにもありますが、我々は「近未来エレガントとは何か?」を伝えるための手段としてオリジナルパッケージに包んでLUMYをお客様に送付しております。   高級化粧品等にも使われる手張りの印籠型のパッケージです。手触りも良く、写真では伝えきれませんが、非常に美しいパッケージとなっています。   このパッケージで商品をお送りするのは、我々が高級ブランドになりたいからではありません。   これこそが「近未来エレガント」なのです。 これは言葉での説明が出来ません。   WING MAKERの考える近未来のイメージを色と質感で表した結果、上記のパッケージデザインになります。   簡単には伝わらないと思います。 そもそも、近未来の定義は存在しません。   WING MAKERの使命はこの『存在しないものを定義付けること』にあります。とても難しい仕事をしていると自負しております。...

クラウドファンディングの幻想と現実

クラウドファンディングの幻想と現実

  おはようございます。 WING MAKERの近藤です。   今日はクラウドファンディングの幻想について思ったことを記しておきます。 これからDtoCブランドを立ち上げたいという方や、クラウドファンディングでの資金集めの現実について興味がある方は、一例として見て頂ければと思います。   WING MAKERというブランドの立ち上げは某クラウドファンディングサイトでの商品の発表から始まりました。これをきっかけに湘南生まれの新製品開発ブランドとしてスタートしました。 クラウドファンディングでは130万円近い支援を頂き、企画としては当初の予想を遥かに超え、無事に成功しました。 しかしその後、法人口座の開設が遅れてしまったことが原因でクラウドファンディングの資金も振り込まれず、商品の生産と発送が遅れてしまうというアクシデントがありました。   また当初想定していた予算では生産が出来ず、結果として130万円近く集まったクラウドファンディングは赤字で終わってしまうという失態をおかしてしまいました。ものづくりや経営についてまだ未熟だったための結果ともいえます。 現在は利益が残るように値段設定を行っていますが、正直これでも非常に原価率が高いです。一時期はポップアップストアなどにも出店していましたが、利益がほとんど残らなかったため、こういったリアル店舗への出店は現在取りやめております。   現在はネットショップでの販売がメインになっていますが、これもまた、しっかりと広告やマーケティングを行って認知されないと、販売数も伸びることはまずありません。 クラウドファンディングで結果を残しても、その後自社ブランドとして展開を続けていくには乗り越えないといけない壁が沢山あります。 「クラウドファンディングのあとも順調にいくだろう。これまで解決できなかった問題を美しく解決できる手段を開発出来れば、数は少ないながらも悩みを抱えているお客様の課題を解決できずはず。」 私、近藤はそんな甘いことを考えていましたが、現実はとても厳しいものでした。販売数が一定の数増えてもレビューして頂ける方はそうそう出てきません。ブランドを育てるというのは本当に大変な作業なのだと、最近は痛感しています。   この記事はクラウドファンディングの何が悪いという話ではありません。ただクラウドファンディングに現実以上の夢と期待を抱いていて考えを誤ってしまったという男の記録です(笑)   失敗はあれど、WING MAKERというブランドはしっかりと守りつつ、今後も新しい価値を生み出し続ければと考えております。   コンパクト 三つ折り財布 - MINIMALIST...

全てはデザインであり、全てをデザインしていきたい

全てはデザインであり、全てをデザインしていきたい

  おはようございます。 WING MAKERで商品設計を担当している近藤と申します。   本日は僕が日頃が思っている事を少し書き足していきます。 全てをデザインしていきたいという話になります。     この世界の全てのものが、何らかのデザインを含んでいます。 DNAだって、神によってデザインされた『生命の設計図』と言い換えることが出来ると思っています。 これはとても極端な例ですが、DNAや分子レベルで捉えれば、万物にはデザインの概念が通じていると、僕は考えています。 そしてデザインは人やモノだけでなく、生活のスタイルや社会構造にも応用して考えることが出来ます。 日本ではこれを『グランドデザイン』と言ったりします(In English-speaking countries people, perhaps you might say this "Overall conceptual design")。     日本にはこのグランド・デザイン(Overall conceptual design)の概念が普及しているものの、活用されていない印象を受けます。...

ミニマリストがゼロから創り上げた財布の歴史 - Episode2

ミニマリストがゼロから創り上げた財布の歴史 - Episode2

おはようございます。WING MAKERで商品設計を担当している近藤と申します。   前回の記事はコチラ↓ ミニマリストがゼロから創り上げた財布の歴史 - Episode1   紙ベースでただ試作をするだけだったハンドメイドのお財布は少しずつレザーを使った試作製品へと変化していきました。 ただの個人の構想から、様々な会社様との共同作業へ少しずつ変わっていく様は日々発見の積み重ねです。これがものづくり業界に入って味わった面白さの一つでした。     その後もSNSで新しい構造のお財布を開発している旨を発信し続け、ものづくりの交流会にも出席し、様々な関係者の方から学ばせて頂きました…。 レザーの購入、素材の漉き加工と圧着処理、裁断、オリジナル商品箱の制作etc… 今では商品の完成までに多くの会社様の協力を経てLUMYの販売に至っています。     商品も何度も試作を重ね、その中でよりシンプルな構造を目指した結果、一枚革だけで仕上げる構造を開発しました。 商品の見た目だけでなく、どこまでもシンプルでミニマリズムを感じることが出来るデザインを追求しました。 実際に手にとって頂いた方の評価に響いているかは不明ですが、販売部分では見えないところにもミニマリズムの哲学が通ずるように設計を施しました。   続く…    コンパクト 三つ折り財布 - MINIMALIST WALLET LUMY